特に新規のお客様とお付き合いがスタートする時、必ずといっていいほど行うことがプレゼンではないでしょうか。

そんなプレゼンは私たちの広告/クリエイティブ業界をはじめ、どんな業界や業種でもプロジェクトがスタートする時の重要事案だと想います。

プレゼン資料を丁寧に作ることはもちろん大切です。非常に大切です。でもこだわりすぎるあまり、資料が膨大な量になっていることを多く見ます。資料の量、いわゆるボリュームが多すぎると返って読まれなくなります。さらに紙として出力した場合は荷物にもなってしまい、鞄が重くなってイヤだなーと想われてしまうこともあります。

そこで今回は、少ないボリュームでも好まれて読まれやすくなる資料の作り方を、プロのデザイナー目線でお伝えします。

好まれる資料とは

資料が多すぎる、ということは資料作りにも多くの時間を使っている可能性があります。その作成時間、私は勿体ない、と思っています。時間をそれほど多くかけなくても良質な資料を作れるからです。

じゃあ、短時間で作れて、しかも見やすいプレゼン資料はどういったものなのか。

この場合の短時間というのは、実際にパソコンで作る時間だけを差すと半日(3〜4時間)です。そして見やすいプレゼン資料はA4用紙三枚(3ページ)ほどの量。多くてもA4用紙で5ページで十分です。実際に膨大の資料を見ると、無駄が多いと感じることがあります。

作り方と品質の無駄

膨大な量のプレゼン資料を見て思う無駄。大別すると2つあります。
1つは作り方。もう1つは品質です。

作り方の無駄

1. 手順を考える

プレゼン資料を作るツールは何でも良いと想っています。パワーポイントでもエクセルやワードでも。Googleのアカウントを持っている場合は、スプレッドシートやGoogleドキュメントも非常に使いやすいツールです。私は職業柄、Illustratorを使うこともあります。

1-1. 情報の整理整頓

資料を作成する際に、いきなりPCを立ち上げて、あれこれと試行錯誤しながら資料を作り始めている方が意外にも多くいらっしゃいます。しかし、このやり方では時間を無駄にしている可能性大です。なぜなら、情報を集め、考え、作る、といったプロセスを同じタイミングでやっているからです。このやり方では思考も作業も丁寧さを欠き中途半端になることが殆どです。

しっかりと情報を集め、情報を整理整頓し、構想を練ってから作成した方が、効率が良くなり作成時間も短くなります。

– – – 手順例 – – –

  1. 情報を集める
  2. 各情報を精査する
  3. 精査した情報を整理整頓する
  4. 構想を考える
  5. 下書きをする
  6. 資料を作る

プレゼンはもちろん、別の資料を作る時もこの手順は大切です。

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2. 時間配分

手順を細かくして、考える時間と作る時間を分けて作っていくと、丁寧さに磨きがかかることに繋がっていきます。そのため資料作成の時間配分も細かく決めることお勧めします。ざっくりと決めてしまうよりもはるかに効率的に作れる様になります。時間配分を細かく決めると「気がついたら時間が経っていた」ということが防げます。

例えば、次のような例はどうでしょうか。
・情報集めに30分
・関連資料集めに30分
・構成に30分
・下書きに30分
・パソコンでの作業に1時間

このように出来るだけ作業を細分化します。そうすると20〜30分の隙間時間でも集中して進めることができます。

2-1. 長い時間の方が効率は悪い

「そんな短い時間では足りない」と思われる人も多いかとは想いますが実は、長い時間をかけてしまった方が、集中力が続かずに生産性が落ちてしまう事例が多くあります。今回の記事を読んでいる人の間にも、そのような経験がある人、いらっしゃるのではないでしょうか。

ちょっとした時間でも確実に仕上げていくためには、作業の細分化は必須です。最初に想っていた時間と実際にかかった時間を比較すると解ると思います。そして次からはより正確にスケジュール立てが出来る様になり、さらなる効率化が望めます。

品質の無駄

1. 時短は担保に繋がる

作成の無駄をより少なくし品質を高めるためのコツはラフ作りにあります。

私は断然、手書きがオススメです。資料全体の流れを書くだけでなく、各コンテンツにどんな図やグラフを用いるか、写真やイラストは必要か、などのイメージを手書きで書きます。何も決めずにいきなり作成ツールで資料を作り始めるということは、どんな味にしようかと決めずに料理するのと一緒です。結果として、なかなか進まなくなるケースが多いです。

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1-1. 料理と同じ

料理の場合、最初にどういった味付けの料理をするのかを決めておくと、用意しなくちゃいけない食材だけでなく、必要な調味料も自然と揃えると思います。この料理/調理と一緒の法則です。

手書きでどんな表現にするかをしっかりと考えておくと、出来上がりイメージがちゃんと固まるため、作成時間が大幅に短くなります。さらにイメージが出来ている、ということは自分の頭の中も整理整頓が出来ているため、余分な考えや発想をしなくなります。まさに時短に繋がっているわけです。

  • 情報を集めたり、イメージを固めることって時間がかかるじゃん!と言われる人もいると思いますが、先に集めて固めておいた方が、時間の見通しが立ちます。気が付いて「こんなことが必要だった」とか「あんなこと入れたい」といった、後から時間が増えていく感覚の方が疲れも増していきます。
  • プレゼン資料だけでなく、何かを作る時は増やしていくのではなく、減らしていく方が良いものが出来ていきます。

1-2. 余分な手間が省ける

そしてイメージを固める、ということは出来上がりがほぼ見えているため、細かな部分に手間をかけることが出来ます。手間をかけるということが品質の担保になっていきます。

手間がかけられていない資料よりも、手間をかけられて作られた資料の方が、品質が良くなることは容易に想像出来ると思います。

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2. 最適を目指して

作るべきというよりも、求められているのは過剰品質ではなく最適品質です。

これはプレゼン資料に限らないと思います。何か商品を売ったり、サービスを提供したりすることでも、求められるのは最適な品質です。どうにか採用されたい、気に入ってもらいたい、買ってもらいたい、そういった想いから自分でも気付かないうちに、物やサービスのアピールが過剰になっていないでしょうか。プレゼン資料もしっかりと準備をし、構成を考えてから作った資料なら、必要最低限な装飾(デザイン)で十分に伝わります。

余分な情報やごちゃっとした装飾が多い資料よりも、必要な情報が最低限の装飾でまとめられている資料の方が見やすく読みやすいものになります。

3. 余分なものは入れない

色数も多くて4色、出来れば3色に抑えることをオススメします。この色数の方が綺麗にサッパリとした資料になります。また、色数が多いと目がチカチカするといった現象にもなりかねません。

白色(紙の色)も1色に入れることを意識されると良いです。足すことよりも引くことを意識した資料、余分なモノ/コトがない資料の方が好まれます。

「この部分、余白があるから何か入れたい」、と思う人が多くいますが、余白があるからメインが際立つといった効果があります。実は余白こそ何かを伝えたい、訴求したい時に必要な要素になっています。

まとめ

アピール・PRする時にはどうしても「あんなこと」や「こんなこと」などを盛り込もうとすることは、誰にでも往々にしてあると思います。しかし、それが果たして他者や相手が求めている最適な資料かどうかを判断することは難しいです。

そんな時は、思えるだけ/考えられるだけの情報を集めて、そこから引いていく形式で『最低限これは』と思える情報だけを載せると、作成者自身が思っている以上に「伝えたいこと/言いたいこと」が伝わりやすくなります。そして余分な装飾や、色数を抑えることで、そのメインが際立つことようになります。インターネットからの情報が過多になった今の時代だからこそ、よりシンプルなプレゼン資料が好まれる傾向になっています。

そしてその傾向はプレゼン資料だけでなく、宣伝や広報、広告などにも見られます。効果のある宣伝や広報、広告が必要な時はぜひ、私たちCRIARにどんなことでもご相談ください。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。